eスポーツ (e-Sports)の「 競技人口 」、そりゃ増えないよ

eスポーツ の 競技人口 が世界に比べて少ないのは、問題なの?

eスポーツ の 競技人口 、そもそも増やす必要ってあるの?

2018年は、「 eスポーツ 元年」と呼ばれていたみたいです。eスポーツの魅力を伝えるイベントも多く開催されているし、世界での 競技人口 が1億人を超えたなんてニュースも出ています。

eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)」の略称のことで、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉です。いわゆる、「ビデオゲーム(コンピュータ・ゲーム)」です。

ゲームにさほどなじみがないあたしなんかでも存在を認知しているので、きっと日本での知名度も高まっているのでしょう。

 

だけど同時に、「日本ではeスポーツの競技人口が少ない」なんていうニュースもよく耳にします。eスポーツの関係各所は普及するのに一生懸命になっていて、オリンピック種目になれるかなれないかみたいな議論もずっとなされています。

eスポーツはオリンピックの価値観と根本的に合わない

なんてIOC会長に断言されちゃってるからオリンピック種目になるのは難しいんでしょうけど(そもそもオリンピック種目になる必要なんてないと思うし)、だけど、

オリンピック種目にならない⇒だから競技人口が少ない

という図式では絶対にないと思います。

 

そこで今回は、

どうして日本でeスポーツの競技人口が増えないのか

その理由についての意見を書きたいと思います。

 

 

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eスポーツ の 競技人口 よりも、「偏見人口」の方が多い!

日本は世界で見てもeスポーツの後進国と呼ばれています。

実際日本では

プロ
私はプロゲーマーです

と名乗ったとしても、飲食店に飾る用のサインを求められたり道端で写真を撮られてツイッターにアップされたりすることって、ほとんどないと思うんです。

だけどこの状況は、別にeスポーツに限った話ではありません。スポーツの競技人口が少ないという事実についても同じで、eスポーツ業界だけが抱える悩みではありません。

たとえばライフル射撃の競技人口はおよそ6,500人、女子ラグビーの競技人口は2,355人、近代五種に至っては日本に33人しかいません。

プロ
私はプロの近代五種の選手です

と名乗られたとしても、やっぱりあたしたちは「すごーい」とだけ言って、あとはサインを求めたり握手をねだったりすることもなく、キョトンとしちゃうんではないでしょうか。

eスポーツの競技人口の正確な数値は定義付けのあいまいさから測定されていないとのことでしたが、おそらくどう少なく見積もっても33人よりは多いでしょう。なんらかの大会に出たことのある人を競技人口にカウントするならば、数万人くらいは軽くいるのではないかと。

だから、eスポーツだけが競技人口不足に悩んでいるというわけではありません。eスポーツに関する報道だけが、最近目立って多いだけ。強いて言うなら日本の若者不足が原因でしょ。

だけど、これらのスポーツ競技とeスポーツには大きな違いがあります。それは、

「スポーツ」だとみなしている人数の差

です。

 

日本にはゲームに対する偏見が今なお満ち溢れています。

ゲームなんてやってると頭が悪くなるわよ。外でスポーツでもしてきなさい!

なんて子どもを叱る親は多いと思うし、

スポーツとは、仲間とともに一緒に汗を流すもの! ゲームはスポーツなんかじゃない!

とか印象値だけで「スポーツ」という表現に抵抗を持つ人も少なからずいます。

先に断っておきますが、これらは「eスポーツ=スポーツ」という仮説を否定する根拠としては普通に間違っていると思うし、なによりあたし自身にそのような抵抗感や嫌悪感はありません。

オンラインゲームをしていれば仲間との連帯感は必要になるだろうし、ゲームやってても息の詰まるような緊迫した場面では汗をかくでしょ、多分。

というように、eスポーツ否定派は、

自分が(日本が)持つゲームへのイメージが「スポーツ」とかけ離れてるから

という理由でしか話していません。まさに偏見です。

いまだにあたしたちくらいの世代にも、刷り込まれた結果なのかゲームそのものへの悪い印象を持っている人がいます。

あなたにとっていちばん大切な恋人、友人、尊敬している上司、全員のスマホの中を見てごらんなさい。
スマホゲームが入ってるから。

って教えてあげたいですホントに……。

そしてそんな人ほど、ゲームをしないあたしみたいな人に共感を求めてきます。

勘弁してくれ。

 

だからといって、

ゲームは素晴らしいです! プロの「ゲーマー」をもっと生み出そう!

みたいな全面肯定派の人が正しいかと言われると、これまた違うと思います。

挙句の果てには、

国がeスポーツが普及するような体制を整えるべき!

みたいな意見まで出る始末。

なにをそんなに焦ってるの?としか思えません。

 

テレビゲームの大会の歴史を見てみると、全国規模で最初にゲーム大会が開かれたのは、1974年に日本で開催された「セガTVゲーム機全国コンテスト」のようです。そして、ゲームで賞金を手に入れる、いわゆる「プロゲーマー」が最初に誕生したのは、1997年にアメリカで設立された「サイバーアスリート・プロフェッショナル・リーグ」。

歴史としては20数年分くらいしかありません。

同じ「ゲーム」というくくりで考えてみると、たとえば将棋の歴史は平安時代から。なのに現代でも将棋の駒の動きを知らない人は少なからずいるし、将棋が職業になったのは大正から昭和頃。羽生棋士や藤井棋士などで一般的に注目を集めたのなんてまだまだ最近のことです。

同じ「プロ」を名乗ろうにも、歴史の桁が違います。

また、同じく歴史がビデオゲームよりもはるかに古い「囲碁」「チェス」「バックギャモン」などの「ゲーム」に関して、彼らはどれだけ「プロ」を知っているのでしょうか。

 

そんな状況下で、国が全力でeスポーツを推奨するかと言われたら、あたしには全然そうは思えません。

確かに国からの補助金をもらったほうが今後の既得権益として財政が潤うから、一刻も早く競技人口を増やしたいのはわかるけどさ、それって上層部の都合でしかなくないですか?

同じゲームのプレイヤーでも「ゲーム実況者」として食べていけてる人はたくさんいます。過酷であることには間違いないんだろうけど、それでも彼らが「プロ」になりたいと考えているかと言われたら、正直考えている人は多くないと思うんです。

 

だからまとめると、

eスポーツ否定派の人は、「ゲームなんて悪いものだから競技人口を増やすなんて馬鹿げてる」という偏見に、
eスポーツ肯定派の人は、「ゲームがなめられているから、競技人口を増やして地位を向上させないといけない」という偏見に、
どちらも縛られてるんじゃないかと思います。

 

ゲームのプレイヤーは、「自分がやりたいと思ったから」ゲームをしているわけで、それでお金を稼げるのならば世間からの見え方なんてあとからついてくる。世間体を先行するのは「承認欲求」としか思えません。

お金を稼ぐ方法は「競技人口を増やす」ことと直接関係がないわけだし、業界へのイメージを改善したいのなら、「今あるゲームをプロの競技にする」ではなく「より興味を持ってもらえるゲームを作る」を将来の目標に据えた方がイイんじゃないの? って思います。

 

eスポーツ の 競技人口 を本気で増やす覚悟はある?

とはいえ、たとえばアメリカではすでに、国が「eスポーツ」を「スポーツ」として認めています。韓国や中国でも「eスポーツ」が非常に発展していて、文字通り「国を挙げて推奨している」面が日本よりも強く、市場規模も日本とは桁違いです。

先ほど書いてきたような歴史の重みや伝統とかそういうものを一切無視して、本気で国家が主導してeスポーツの競技人口を増やそうと思ったときに、どうするのが手っ取り早いかあたしなりに考えたことをまとめます。

方法その1:これまでの日本のゲームをすべて廃盤にしよう!

あたしが「ビデオゲーム」と聞いたとき、真っ先に思い浮かべたのは、「ドラクエ」と「マリオ」でした。

残念ながら、どちらもeスポーツの種目には入っていません。競技性が乏しいからです。

「ドラゴンクエスト」のようなロールプレイングゲームは、時間をかけさえすれば誰でも強くなれます。「マリオ」のようなアクションゲームは、上手さを人と比べるのに限度があります。

もちろんしかるべき場を整えたら実力差もでるんでしょうけど、最後は時間とお金をかけた人が勝つ

これが、あたしの持っていたゲームに対するイメージです。(この話をオウンドベースメンバーの入山くんにしたら、「なにもわかってないな」ってものすごくバカにされました。こんな風に思ってたの、あたしだけ?)

1日何時間もゲームしても、上手くなる(強くなる)とは限らない。
時間をかけるのは当然だとして、その中でも実力差が明確になる。

このような条件を満たすゲームこそ、「eスポーツ」と名乗るにふさわしいものなのでしょう。

eスポーツ普及のためには、ドラクエとマリオは紛らわしすぎる!

ゲーム関連団体や参加者が一丸となってeスポーツを普及させるには、対人戦に重きを置く必要があると思います。

だとすれば、1人で遊ぶためのゲームや実力差が測りづらいゲームはすべて廃止するべきです。ドラクエやマリオだって禁止です。

少年
僕ってマリオ上手なんだー! eスポーツの選手になれるかな?

という誤解を子どもを根底から排除しないと、eスポーツの未来が暗くなってしまうからです。

これらのゲームは人気なので廃止は難しいにしても、ひとくくりに「ゲーム」と呼ぶのをやめるべきでは? せめて公式HPくらいは、

みなさんの考える「ゲーム」は、「ゲーム」ではありません。やめてください。

とかそういう案内をしないと、いつまでもeスポーツがよくわからないまま大衆娯楽とごちゃごちゃのままじゃないかな?

国や団体が全力を挙げるなら、多少の犠牲を払ってでもゲームのジャンルそのものから内部統制していくのが手っ取り早いと思います。

 

方法その2:顔・本名など最低限の個人情報開示を義務付けよう!

プロ野球選手やサッカー選手など、いわゆるプロの「スポーツ選手」は、たいてい

・本名
・素顔
・出身地(高校)

などが明らかになった状態で世間に出てきます。

ぶっちゃけわかっていてもいなくても、そこになんの意味も違いもないんだけど、

個人情報がわかっていることが安心につながる!

みたいに考える人がとりわけ上の世代には多いので、国全体としてeスポーツを応援するムードを作るのであれば、他のスポーツと同様の信頼度を得るべきだとあたしは思います。

それに比べて日本のeスポーツ参加者は、たいてい偽名(ハンドルネーム)です。どこの誰だかまったくわかりません。マスクで顔を覆っていて素顔すら見せない人だっています。

これについて「怪しい……」と思う人がいたって、まぁ仕方ないかなとは感じます。

自分たちの世界だけで自分たちの好きなようにやっていくならまだしも、世間の理解を得て日本全体からの応援を求めたいと考えるのであれば、選手名鑑のようなものは絶対に作るべきです。

とにかく、eスポーツはその名前だけが先行していて、「プレイルール」や「どうすれば強くなれるのか」、「どんなすごい人がいるのか/なぜすごいのか」などの中身や方法論が全く知られていません。申し訳ないことに、あたしも知りません。

ルールがわかりやすいですよ!/誰にでもチャンスがあって公平ですよ!

このあたりを全面的に押し出さないと、理解が得られないのではないかと思います。シンプルに応援しづらいですし。

 

方法その3:全国民にパソコンを配布しよう!

今度は逆に、「eスポーツ」として認識されているゲームにどんなものがあるかについて考えてみます。

これも聞いた話なのですが、eスポーツのゲームはほとんどパソコンで行うゲームとのこと。

学校の授業でマラソンやバスケットボールが行われるのと同じように、同じく最近の学校ではパソコンの授業が行われています。とすれば、ある種「プロ」の存在を認識する素地は整っていると考えることが出来るでしょう。

ただ問題は、学校の授業では対戦ゲームをしない、というところです。

日本ではパソコンとスマートフォンの普及率がほぼ同じで、70%ほどです。家にパソコンがないという1人暮らしの方も多いですし、パソコンの基本的なスペックの違いがわからないから買おうにも家電量販店の店員さん任せになってしまうという人だって若い世代にも結構います。

そんな状況で対戦ゲームはそもそも出来ませんし、上手くもならないでしょう。パソコンのゲームって、絶対にスペックの差で勝負が決まるから。最終的に、どれだけのセンスがあっても貧しい人がお金持ちに勝てない構図になってしまいます。以前に書いた、サッカー選手になりたがる発展途上国の子どもとは真逆の構図です。

http://ownedbase.com/2018/08/15/surrender-commentary-hatori/

誰しもが触れるにはお金がかかりすぎる問題。これを解決するには国民全員、せめて将来有望な子どもたちにだけでも国がハイスペックPCを補助するほかありません。

↑たとえば、デスクトップ型のゲーム用PC。ハイスペックだけど、誰にでもポンと買えるものではないよね……。

高品質でも劣悪でもバットやボールの大きさは規格で決められているからそこまでの実力差にならないというのと同じように、パソコンにも処理速度などの基準を設けないと、いつまでたっても不公平のままです。

馬術やフィギュアスケートなど、お金がかかる競技は必然的に人口が減る。

当たり前の話なのですから、これを乗り越えるには、発案者がお金を出すべき。

これまた当たり前の話ですよね?

 


ビデオゲームはスポーツではない!

そんなことを言うつもりはあたしにはありません。むしろそんな切り捨て方は、今誇りを持って頑張っている人たちに失礼です。

スポーツもゲームも、ずっとやっているうちに疲れるのは一緒です。練習しなきゃうまくなれないのも一緒です。ゲームは健康を害するとか言うけど、スポーツだって事故のリスクはつきものなわけで、過剰な運動によって健康ではなくなる可能性だってあります。

「ゲームは不正し放題」とか主張する人がいますが、スポーツ界にも「ドーピング」という名の不正が定期的に報道される以上、そこだって条件は同じです。

 

ただ一点、eスポーツを普及させようとする人が、「スポーツ」として認知してもらうために絶対に伝えなくちゃいけないことをイマイチ伝えていない気がしています。

それは、フェアプレー(マナー)の精神です。

eスポーツを推奨する人ってみんな、「ゲームを悪いものとみなすなんて時代遅れですよ!」とか、「インターネット時代だからこそできる新しいものです!」とか、そういう新時代を推したケンカ腰(?)な物言いばっかりな気がします。

そんなに言うなら、前時代的な昔からある「スポーツ」なんて分野にわざわざ飛び込まなくていいじゃん

って感じてしまいます。

プロスポーツを名乗るからには、不正した人を厳正に処罰しなけければならない。競技者は一定のモラルを持たなければならない。

じゃないと、信頼度が減ってスポンサーがつかなくなるから。賞金が出なくなるから。それが「プロ」だから。

そういう「昔」から続く心づもりも持ち合わせていることをアピールした上で、「今」だからこそできるシステムや戦略の面白さをアピールしないと、誰もついていけません。

eスポーツの競技人口を増やしたいのなら、関係者はまず第一にそのへんを推すべきだと思います。

 

現在「プロゲーマー」を目指している方は、

業界改善を〜……とか全体を背負う前に、まずは自分がどうやって今より高水準の生活ができるか、個人と向き合うことが必要です。

言葉で聞くより行動で示したほうが、未来の同じ働き方を志望する子どもたちにとっての励みになるから。

そして、そんな「プロゲーマーを目指す人を見た」あたしたちは、

それもまたひとつの立派な「働き方」であると受け入れることが必要です。

ゲームしててお金稼げるとか、楽そうでいいな〜……

とかそういう発言は、偏見でしかないということを自覚しましょう。

人に対して嫉妬や足の引っ張りをする前に、自分の現状に頭を向けるべきです。

 

世界全体、日本全体、そして個人個人にとってしても、それが立派な「働き方」であるというのは言うまでもないことなのですから。



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