ホラクラシー組織 ってどういう意味?【用語解説】

ホラクラシー組織 についての解説です

ホラクラシー組織 (holacracy)の意味を知っておこう!

ホラクラシー組織 という言葉の意味をご存知でしょうか?

これは最近話題になっている経営システムがなされた団体のことで、欧米の一部企業をはじめ日本でも導入され始めたことで話題になっています。

「ホラクラシー」とはひとことでいうと、

階級が一切存在しない組織の管理体制

のことです。

階級がないため、会社内でもいわゆる「上司・部下」といった縦の関係がありません。集団よりも「個」を重んじることで個々人がその場で最適だと思うことを実践し、組織を自律的に運営・統治していくシステムとして注目されています。

肩書きが重視されないことはルーキーの意見もベテランの意見もひとしく扱われることになりますし、集団内において1人が複数の役割を持つということも可能になります。

こう聞くと、若者にとって非常にやりがいがあるもののように聞こえますが…。

 

今回は、最近話題のこの「ホラクラシー」に関して、

ホラクラシーのメリットデメリット

を語るとともに、

今後の就職活動に差し当たって「ホラクラシー」の考え方はどう役に立つか

について書きたいと思います。

 

 

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従来の日本は、「 ホラクラシー組織 」と真逆

ホラクラシーの会社に勤めている人は、基本的に日本に脈々と受け継がれている「縦社会」の影響をほぼ受けないことになります。

社長がトップに君臨し、その下には役員・管理職がいる。そして彼らの指揮のもと、多くが平社員として自分の役割を遂行しながら会社の運営が成り立つ。

これが日本の一般的な企業体制です。

これのことを、「ヒエラルキー」と呼びます。「ホラクラシー」の対になる概念でしょう。

 

ホラクラシーの根本的な目的は、

組織の中心を「人」ではなく「仕事」にする

というところにあります。

仕事内容を重視するため「人」の肩書が不要になり、結果縦関係のないフラットな組織になったという流れです。決して「フラットな組織にする」ことを目的として肩書をなくした、という順序で物事を進めているわけではありません。

縦関係を「なくす」というよりは、縦関係が「気づけばなくなった」というのが正しい表現でしょうね。

 

昔ながらの「日本式経営」が見直しに入っている時期だということはみなさんもご存じだと思いますが、

※関連

誰かに命令されたりピラミッド状の人間関係もない組織というのは中央集権型や階層型とは真逆であるため、

こうも極端だと、日本になじむのだろうか…

という懸念も残ります。

たとえばサービスを提供している中で利用者からのクレームが起こった場合、

責任者を出せ!

というのが常套句ですよね?

彼らの言う「責任者」とはすなわち会社経営において最終判断を下す立場に近い上司や役職持ちの人を指すのでしょうが、そうなった際にホラクラシーの会社においては、

(そういう意味での)責任者はいません!

と返答することになります。

 

クレーマーは、もっと怒る気がします。

もしくは

私が責任者です

と担当者本人が言うことになるのでしょうが、固定観念に縛られている人ほど若い人を「若いというだけで」見くびる傾向があるため、話が平行線のまま進まない可能性が高いです。

これはB to Cのクレーム対応に限らず、企業対応としても同じことが言えます。

これほど時代が変わったとはいえ、大事な交渉の場に若者がやってくることを嫌う上層部の方はやはり今でも少なからず存在しています。昔ながらの経営をしているところほどなおさら。

歳を取っている=経験豊富=信用できる

この考え方に縛られている人が仮にもしいたら、ホラクラシーを導入する会社と交渉の場を設けることはおそらく不可能でしょう。

 

結局問題なのは、その手の輩ほど「ホラクラシー」なんて言葉は知らないし知ろうともしない、ってところです…。

「組織改革が急務!」なんて世間では騒がれていますが、日本にホラクラシーを導入するためには、それこそ「高プロ」のように幅広い世代にまで認知度・知名度を広げる必要が不可欠のように思えます。

社内では「ホラクラシー」でも、対外的なパフォーマンス用の「ヒエラルキー」は必要

今の日本では、悲しいかなこれが折衷案のように思えます…。

 

ホラクラシーのメリットとデメリット

企業としての「外部からの」見え方には多少の懸念はあるものの、実際に「内部で」働く側になった際にはメリットデメリットの関係はどうなっているのでしょうか?

やはり私達が働く際に希望するのは、

即戦力としてすぐに現場に出たい! / 1日でも早くわかりやすい成果を上げたい

ということだと思います。「ホラクラシー」においては、その希望は実現しやすそうに思えますが…。

 

ホラクラシーの特徴を簡潔にまとめると、

・組織体制を柔軟に組み替えられる
・個人の長所を活かして役割分担が可能
・組織運営を効率的に行える
・構成員の主体性が強化される

ということが挙げられます。

これをもとに、メリットとデメリットを考えられるだけ挙げていきます。


ホラクラシーのメリット

①無駄が省かれる

これまでのヒエラルキー型企業では、「人を管理する人」、「人を管理する人を管理する人」、なども仕事のうちに入っています。ですがこれ、見方によってはかなり無駄です。

たとえばエンタメ業界などでは、

いつまでもコンテンツを作っていたいから出世したくない

と考える人がいます。

出世して管理職になると必然的に仕事内容が「管理・監督」になってしまうため、現場からは遠のいてしまうからです。

ですが、ホラクラシー型の組織であるならばこれらの管理業務はなくなります。全ての社員が自分の得意な(やりたい)個々の役割に集中できるようになります。

それだけでなく、管理職がいなくなることで報告連絡相談のフェーズも少なくなるため、意思決定がスピーディーになることもメリットとして挙げられると思います。

 

②責任感や自主性が増す

上司が存在しないということは、成功も失敗も自分が原因ということになります。うまくいった手柄がすべて自分の者になる一方で、ダメだったときは全責任を自分が負うことになります。

今の縦社会日本企業でも、失敗の責任だけは自分が負わされることになっている気もしますが…。成功は吸い上げられるのに、割に合わない話ですね。

意思決定をすべて個人が担うということをプレッシャーに感じる人もいるとは思いますが、それは同時に仕事に対する責任感、自主性を生み出し、「やりがい」という形で個々の成長を促します。

自分の能力に自信がある人ほど、それを発揮する場を与えられることで、仕事に対するモチベーションも高まると思います。

 

③対人関係のストレスが減る

実際のところこれが一番大きなメリットだと感じる人が多いのではないかと…。

ホラクラシーにおいては上下関係がないため、理不尽な命令を誰かから受けることはありません。仕事上でだけでなく、わずらわしい飲み会などからも解放されるため、私達はストレスの種がなくなると感じます。

それ以外にも一般企業に就職した後で嫌でも巻き込まれる「出世争い」や「社内政治」に参加する必要もなくなるため、ますます自分たちの仕事に集中できることでしょう。

 


ホラクラシーのデメリット

①構成員のパフォーマンスが低下する恐れ

階層がない自由な状況では、その人の普段の行動を「評価する」人がいません。そのためある種サボり放題という状況が起こりかねないという懸念があります。

また、マネジメントという機能がない以上、「自分が何をしていいのか迷っている」という人に指示を出す存在もいないため、何でもできるがゆえにかえって何もできないという人も現れてしまうかもしれません。

②リーダー不在の影響

上に書いたようなクレーマーや対外的な交流時、最高責任者がいないことがその企業の信用を損ねてしまいかねません。社員それぞれが自分でトラブルを解決しなければならないことは、結局仕事以外の面でも負担を上乗せすることになります。

 

③情報共有のリスク

個々人が自分の意志で動いているとはいえ、ひとつの会社としてまとまっている以上は社内の情報が常に共有されている状態でないといけません。その情報は些細なものから重要なものまでひとしく全社員に共有される必要があり、ヒエラルキー型組織のように機密情報を統制することが出来ません

社外へ漏洩するリスクが高まってしまいます。

 

④組織が無秩序になりやすい

ひとりひとりに意思決定の権限があるということは、同じ会社の同じ社員であったとしても各々が何をしているのか把握することが出来なくなります。組織として見た時のコントロールはかなり難しくなると言えます。


 

ホラクラシーを導入した日本企業の例はいくつかありますが、市場変化が激しいIT業界がやはり多いようです。

今まで長らく続いてきた「ヒエラルキー」の会社がいきなり「ホラクラシー」へと移行するのは難しく、特にすでに権力や既得権益を持った上層部からは大反発が起こるはずです。

ホラクラシーに興味や共感を持った人は、就職時にはホラクラシーに対して理解のあるベンチャー企業を受けるべきだと思います。

 

ホラクラシー企業への就活で気を付けるべきことは?

ここまで書いてみて私も確信したのですが、

一般的な大企業にホラクラシーを導入するのは不可能です。

そのため民間就職する際にも、

今ある就活対策をホラクラシー企業に当てはめても無駄だと思います。

 

考え方が全く違うため、就活マニュアルやセミナーで教えられるような「保守的な」考え方で臨んだとしても

あ、うちはそういうの求めてないから

と一蹴されるのがオチではないでしょうか。

 

そんな中で私達がアピールすべきことは2つです。

①人あたりの良さ
②企業理念への共感(=好きという気持ち)

採用面接官(ホラクラシー企業に専門の担当者はいないと思いますが…)は一般企業では「人事のみを行う」人が主に執り行うものの、ホラクラシーを導入している以上はリアルに採用した学生と「一緒に働く」ことになります。

そのため採用時には、

一緒に働いていてやりやすいか

により重きを置いた采配をなすことが予想されます。

 

これは私が知り合いのベンチャー企業の採用担当の方に聞いた話なのですが、

ベンチャー企業を受ける際に、「自分の即戦力性」だけをひけらかす学生がとても多いそうです。

そして自慢げに自分の学生時代の実績を語られた際には、よほどの成果でもない限りたいてい不採用にするらしいです。

理由は単純で、一緒に働きたくないから

 

学生時代の実績なんてほとんどが「井の中の蛙」状態であるにもかかわらず、それがさも大きなことを成し遂げたかのように話す人がとにかく多い。

そしてそういう学生ほど

どうっすか? 役立つから採用した方がイイっすよ?

という感じでやたらと上から目線でプライド高く採用面接に臨んでくる。

正直、不愉快だそうです。

このように即戦力の意味をはき違えた人が多い中、私達が心がけなくてはいけないこととしては、人間関係が必要ない会社ほど、人間関係が大事ということです。

 

人間関係を円滑に行える人であるかどうかを見極めるために、採用する目安として重視している学生の言葉がひとつあるそうです。

「好き」という動機があるかどうか。

自分の経歴や実績アピールに躍起になっている人ほど、「その会社で働きたい」という情熱を感じないらしく、

どうせ他の会社でも同じような態度で面接に臨んでるんだろうな…

というのがひしひしと伝わってくるみたいです。

「その会社が(その業種が)『好き』だから絶対受かりたいです!」
みたいな熱意があれば、それが一番採用に近づくのにな…

とその人は嘆いていました。

 

そして奇しくもこれはベンチャーに限らず、昔からある大手企業を受ける際にも同じことが言えるのではないでしょうか。

就活本に書かれているような表面上の礼儀作法は、あくまで最低限のものです。それが出来ることがすなわち優秀な人材だと判断している会社は、とっくに経営が傾くか潰れるかしています。

人間が人間と働くのですから、最後は感情要素も加味されるのが当然。

「好き」に勝る就職動機は存在しないのです。

 

そして、これを聞いて私は思います。

人当たりもよくて即戦力性がある人なのだったら就職せず起業した方がよいのでは…?

事実、これらのホラクラシーを導入している企業はどこも起業を推奨しています

先ほどホラクラシーのデメリット部分で「キーパーソンが抜けた際に痛手となる」というのをラインナップに加えるか悩んだのですが、会社自体がこれを想定したうえでなおかつ起業を勧めているのであれば、これは不要だと思い外しました。

結局ホラクラシーを導入するかしないかはひとつの「あり方」にしかすぎないわけで、その根底には

働いている以上、絶対安定なんてありえない

という考え方がベンチャー企業に共通する思いとしてあるはずです。

これはちょうど、日本の株式会社において当然とみなされてきた「日本式経営」とは真逆です。

 

あくまで就職するのは、後の起業に向けてのスキルアップ

このように考えられる人こそ、ホラクラシー企業に最も向いている人材なのではないでしょうか。

逆に「就職=安定」だと捉えるのであれば、従来のヒエラルキー企業に勤める方が向いていると思います。

これはどちらが良い悪いの話ではなく人の向き不向きの問題だとは思いますが、就職を志す以上私達はまず「なぜ就職するのか」を考えるべきだと思います。

「人から言われたから」就職して安定した道のりを歩みたい

などのように、もしそこに自分の意志以外の要因が働いている場合は、就職というものをとらえなおすべきだと思います。

 

就職がうまくいかない人は何百社とエントリーするそうですが、ひとつひとつの会社と心から向き合っているのでしょうか?

「数うちゃあたる」とタカをくくって、テンプレート通りの対応を量産しているだけになっていませんでしょうか?

採用側は、プロです。

自分の会社向けになされたアレンジがあるかどうかはすぐ見抜きます。

就活でも量より質を! / 自分にしかできない就活を!

それを明文化して、会社員の心構えとしてアレンジした考え方のひとつが「ホラクラシー」なのではないかと私は思います。



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