インターンシップ の「 意味 」とは?【日本企業の悪しき風習】

インターンシップ に込められた、日本企業ならではの 意味 とはなにか。特徴をおさえていきます。

インターンシップ に込められた「 意味 」とは? 日本企業の歴史から考えよう

インターンシップ がピークを迎えるシーズンです。日経新聞の記事によると、優秀な学生に参加してもらうために「高額報酬」や「手厚い指導」などを準備して、企業側がアプローチに工夫を凝らしているようです。報酬を準備するのは能力主義で人材を判断する、非常に「 意味 」がある理にかなったものだとは思うのですが、一方でこの「手厚い指導」という部分に、日本企業らしさを感じてしまいます。

先日、こんなニュースを目にしました。

新卒社員を採用するために、外資企業は、能力に応じて高い初任給を与えることを提案しています。一方で日本企業は、インターンシップを充実させることで、仕事に少しでも早い段階から触れて実感してもらうことを提案しています。

※企業名は伏せています。

…なんだこれ?

と思いました。

 

外資企業も日本企業も、求めているのは労働力を提供してくれる「サラリーマン」なのですが、そのためにサラリーマンに提示している「利益」あまりにも異なっているのです。

ここには企業が、特に日本企業がこれまで歩んできたサラリーマンに対する対応や考え方が詰まっているのですが、

 

今回はこの「日本式経営」をもとに、

個人でも働けるようにしておく「オウンドビジネス」の心構えの大切さ

について書こうと思います。

就職だけでなく転職を考える方にとっても、ぜひ今一度考えてみて欲しい内容です。

 

 

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日本に残る会社の「伝統」。メリットもあるけど……

世界各国に会社は無数にありますが、中でも日本だけは、独自の経営スタイルを持っていると言われています。これを「日本的経営」と言う人もいます。

「日本的経営」の特徴としては主に、

①企業別組合
②終身雇用制
③年功序列型賃金

があるので、ひとつずつ説明していきたいと思います。


<1:企業別労働組合>

賃金労働者は全体的に、立場が弱くなりがちです。そのため、ひとりひとりでは言えないような内容(「給料を上げて欲しい」/「休みを増やして欲しい」 など)を賃金労働者が一丸となって経営者に訴えるという取り組みを行うための組織があります。

その団体のことを、「労働組合」と呼びます。

これはサラリーマンに限らず、プロ野球選手にも見られる傾向です。プロ野球選手は本来個人事業主に親しい雇用形態を結んではいますが、一般的に「球団に雇われるサラリーマン」という扱いを法的にはなされることが多いです。

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プロ野球選手における「労働組合」はプロ野球という業界全体で一丸となって組織されますが、一般的に日本ではそれぞれの企業ごとに労働組合を組織する傾向があり、これを特に「企業別労働組合」と呼びます。

この「企業別労働組合」が賃金労働者にとって、様々な長所と短所を生み出しているのです。

 

日本の会社に勤めているサラリーマンにとっては、「企業別労働組合」はむしろ当たり前のことのように思えるかもしれません。ですが、たとえば欧米には、企業の枠を超えて職業別に組織される「職業別労働組合」や、産業別に組織される「産業別労働組合」なんかも存在します。

プロ野球界における労働組合は、「職業別労働組合」の色が強いですね。

 

企業別労働組合の良いところとしては、その企業の状況に応じて労働条件の改善要求が出来る点です。

たとえば、業界全体があまり利益を上げられていないとしても、Aという会社だけは大きな利益を上げている状態があったとします。するとAで働く労働者による「企業別労働組合」としては、

ウチはちゃんと利益を出しているんだから、周りの会社よりも給料を良くしてよ!

などの交渉をすることが可能になります。

これが職業別の組合になってしまうと、それぞれの会社がどのくらい利益を上げているかというよりも、「業界全体としてどれくらい利益を上げているか」の方がむしろ大事になってきます。

 

対して、「産業別労働組合」だとどうなるでしょうか?

こちらも例として、日本のビールメーカー全体で産業別の労働組合が組織された場合を考えてみます。

「Kリン」「Sッポロ」「Eビス」「Aサヒ」「Sントリー」が、日本の5大ビールメーカーですが(イニシャルの意味がない会社もありますね…笑)、この中でたまたま「Kリン」だけが大きな利益を出して残りの4社が大赤字になった場合、ビール業界全体としては大幅な赤字となってしまいます。

このとき、「Kリン」の労働者からしてみたら、自分たちの会社の業績は好調ではあるものの、業界全体が不調であるためなかなか待遇改善を要求することが出来ません。

これが「産業別労働組合」(職業別労働組合もおおよそ同じ)の考え方です。

一方で、今度は逆に「Kリン」の会社だけの業績が芳しくなかったとしても、ビール業界の業績が良ければ「産業別労働組合」の力を借りて「Kリン」の社員は待遇改善を要求することが出来るわけです。

 

…こう見ると、労働組合はどんな形であれ一長一短のようにも思えますが、実は必ずしもそういうわけではありません。

「企業別労働組合」には、特有の厄介なポイントがあります。それは、

労働者にとっての闘う相手が知り合いだ

ということです。

 

職業別労働組合」「産業別労働組合」だと労働者達は自分たちの意見を言いやすくなります。労働者達が権利を主張する相手は同じ業界の別の会社の代表者であり、いずれにしても普段関わりあいを持たない、いわば「赤の他人」だからですね。

ところが、「企業別労働組合」だと労働組合は待遇改善要求に対して遠慮しがちになってしまいます。労働者が権利を主張する相手は同じ会社の経営者であり、日頃の業務の中でも関わりを持つ相手であるため、パワーバランスの影響をモロに受けてしまいます。

このように「企業別労働組合」には、同じ会社の上司と部下同士ゆえに闘いにくいという欠点があります。

 

日本のサラリーマンは、自分たちが働く環境を改善しづらい

この傾向は、今でも根強く残っています。


<2:終身雇用制>

たとえば就職活動をする際に基本用語を調べる機会がこれまでにもしあったならば、おそらく一度は耳にしたことがあるんじゃないかと言う言葉です。

これは、企業が労働者を入社から定年まで雇用する」というもので、戦前からの日本の慣例が現代まで定着したものです。

そのため気をつけたいのは、

「終身雇用制」には法律や労働協約などの法的根拠は何もない

ということです。

以前に書いた「株式会社」に関する記事と関連しまして、

 

大企業に一度入ってしまえばもう安心!

と考えている人がもしいらっしゃるならば、それは大きな勘違いですので気をつけてください。

 

ひと昔前からよく聞く、

「リストラ」/「人員整理」

などという言葉が、終身雇用制とちょうど反対の意味になる言葉です。

世間から批判を浴びることも多いですが、残念ながら企業が労働者をクビにするのは本来自由に認められていることなのです。

 

ひとつの企業で年を取るまでずっと働くという時代がもはや終わったのはみなさんも感じているとは思いますが、それでも今なお古い世代の方を中心に、この終身雇用制に基づいてものを考える人が結構多くいます。

私自身が企業を辞めて独立した身ですので実体験をもってお伝えしますと、「辞めます」と私が上司に伝えた後、しばらくの間ずっと会社の人事担当の方を中心に結構な引き止めの説得を受けました…。

辞めないで欲しい
これからウチの会社を支える存在になって欲しい

など、ありがたい言葉もたくさんかけてもらえたのですが、

せっかく入った会社なのだから、最後まで勤めるべきだ

という考えの上司も結構いて…。説得どころかお叱りを受けた経験もあります。

私がかつて就職した会社では、基本的に辞める人なんてほとんど誰もいませんでした。だからこそ今でもこのような「終身雇用制」を前提にした物言いをされたのです。

引き止めてくださったみなさんには確実に悪気はないので、

知らず知らずのうちに引き継がれてきている「伝統的な」考えなんだろうなぁ……

と当時はよく思ったものです。

 

終身雇用制には、もちろん良い面もあります。

「途中で辞める」ということを経営者、労働者がともに考えないことで、雇用が安定しますし企業への帰属意識が強化されます。

長年同じ場所にいると、自然と愛着がわいてきますよね?

まさにその「愛着」を、企業は「終身雇用制」によって労働者に対して持たせてきたわけです。

日頃お世話になっている会社のために、頑張るぞ!

という気持ちを労働者に促してきたわけです。(この思いをより強めるために、次の「年功序列型賃金」の制度も、あわせて日本の企業は採用してきました。)

 

一方で、「終身雇用制」にも欠点があります。それは、

労働意欲の低下につながるおそれがある

ということです。

「途中で辞める」ことが基本的にあり得ないわけですから、労働者の中には、

 

労働者
あれ? これあんまり頑張らなくても給料もらえるんじゃね?

 

という考えをする人が現れます。

全員とは言わないまでも、そのようなやる気のない人が増えてしまったら、会社の経営者としては困ってしまいますよね?

 

とりわけ現在では不景気がすすんできまして、昔の日本みたいに「とにかく労働者がたくさん働けば働くほどたくさんお金が稼げる」というわけでもなくなってきています…。

ただでさえ利益が減っているのに、おまけに働かない労働者が増えるとなると…。

そうして経営者がとった苦肉の策が「リストラ」なのです。


<3:年功序列型賃金>

「終身雇用制」とともに、長らくの間日本企業特有の考え方として続いてきたものです。

こちらも終身雇用制同様、本来は労働者を守るための制度だったとも言えます。

これは、学歴別に決まった初任給をもとに勤続年数や年齢に応じて賃金が上がっていく定期昇給制のことです。

どこの会社に入っても就職1年目の給料が一番低くて、5年目、10年目と会社での年次が上がっていくにつれてどんどん給料が高くなっていく……。

みなさんがイメージする給料って、こんな感じじゃないでしょうか?

こういうシステム、実は外国にはない日本独自のものなんです。

 

もちろん、このシステムにもきちんとした意味はあります。

入社1年目の人は、基本的にこれまで学生だったでしょうから、サラリーマンを機におそらく初めて社会に出ることになるはずです。(学生時代のアルバイトなどはあったかもしれませんが…)

たいていの人が、

1年目からちゃんと働けるかなぁ…。

という不安を持ってサラリーマンを始めるってことですね。

そもそも本当はこんな不安を持つ必要なんてないのですが、日本の社会全体が、ある種「洗脳」のようにこのような不安をあおってくるので、心配になるのもある程度仕方ない気もします。

 

この不安に便乗する形で、日本の企業はまず若者に「立派なサラリーマンになるための技能」らしきものを習得させることで(繰り返しますが、本当はこんなものは存在しません)人材を育成することを優先します。

こうやって企業は、労働者の企業定着率(=辞めない割合)を高めてきたのです。

 

でもこれ、逆に言えば、「即戦力」の可能性を無視しているとも言えます。

本当はすぐにバリバリ働けるポテンシャルを持っている人も、「育成期間」と言われて会社のルールに従わされます。

すぐにでも働きたい!

と思っている人にとってはめちゃくちゃつらいです、これ。

 

一方で海外の企業では、最初から優秀な「即戦力」となる人材を考慮した給料モデルになっています。

「育成」よりも「能力」を、「年齢」よりも「実績」を、それぞれ優先しています。

給料の払い方にもそれは表れていて、若者だろうがなんだろうがとにかく優秀な人に会社で労働する意欲を与えるために、労働者の仕事能力(資格・経験など)に従って賃金を決める(これを「職能給」と呼びます。)を採用するところが大半です。

そのため、毎年契約更改して成績に応じて報酬を上下させる「年俸制」というシステムが基本になっています。

「年俸」と聞くとイメージしやすいのは、これまたプロ野球選手の契約更新です。毎年、シーズンオフになると、「●●選手の年俸が、○億円になりました!」みたいなニュースをよく見ますよね?

基本的には海外や外資企業のサラリーマンの年俸制もこれと同じで、その年の実績に基づいて次の年の給料が決まるという形になっています。

「年功序列型賃金」とは全く違いますね。

 

中途半端な伝統のせいで、日本のサラリーマンはやりづらい!

さて、冒頭で紹介した、日本企業のお話。

新卒の人たちに向けて「手厚い指導」を提供するというのはまさに、これらの「終身雇用制」「年功序列型賃金」を前提にした考え方です。

入社前から、ウチの会社のことをよく知っておいてね! だって、「終身雇用制」って考えたら、一回入った会社は辞めないでしょ?

若いうちは給料安くても良いよね? だって、「年功序列型賃金」って考えたら、将来給料上がるんだから。

……日本の企業は、いつまでこんなことやってるんでしょうね?苦笑

 

たしかに「終身雇用制」と「年功序列型賃金」がきちんと機能すれば、労働者の生活が安定するという素晴らしいメリットがあります!

…あくまで、「きちんと機能すれば」の話ですが。

 

実際、今の日本ではこれらのシステムは崩壊しつつあります。

これは経営者側からすれば、

労働者が高齢になるほど人件費がかさむ

というデメリットを生み出すからです。

昔と違って商業やサービス業が大幅に増加したことで、(これを「産業の高度化」と言います。)同じ仕事をしている会社同士の競争が激しくなり、企業が競争に勝つためには、

コストダウンするしかない!

という考え方になるのです。

 

だから、

・「終身雇用制」っぽい採用の仕方をしているのに、実際のところ労働者は突然リストラされてしまう。
・「年功序列型賃金」っぽく最初のうちは安い給料なのに、実際のところ労働者の給料が全然上がらない。

…なんていう地獄みたいなことも起こりがちです。

 

私達の親世代の頃とは、状況が確実に変わってきています。かつての日本企業での「当たり前」は世界では全然「当たり前」ではないですし、そもそも今の日本ですら「当たり前」ではなくなってきている。

そのことだけはしっかり押さえた上で、自分の目で見て、自分の頭で考え、「当たり前」をいろいろな方向から見ていく必要があると思います。

 

「企業別組合」「終身雇用制」「年功序列型賃金」

これら3つの意味と問題点、わかっていただけたでしょうか?

 

インターンシップ が「就職=安定」と思い込ませてくる

最後に、

サラリーマン=安定

とあなたがもし考えているなら、聞きたいことがあります。

 

「サラリーマン=安定」とは、自分で考えて出した結論ですか?
もしかしたら、世間のイメージや人から聞いた話だけでそういう風に思い込んでいるだけではないですか?

 

40代でリストラされてしまった人、ニュースなどでも話は結構聞きますよね?

彼らは就職してサラリーマンになった瞬間、

どうせ自分は将来、リストラされるんだろうなぁ……

なんて考えていたと思いますか?

もともと彼らも日本のサラリーマンだったわけです。「サラリーマン=安定」と確実に考えていたはずです。

ところが実際はどうでしょう? 「安定」どころか、日本のどんな人たちよりも「不安定」な立場になってしまいました。かつて日本の大企業で「安定」を夢見てきた人が、確実に今、自分たちが思い描いてきた「安定」を失っているのです。

 

なのにたいていの人は、そんな事実には目を向けない。

「サラリーマン=安定」だと思い込みたい

そんな人が大半です。

 

「自分だけは大丈夫」と思いますか?

その自信があるならば、起業でも転職でも何をやっても大丈夫。上手くいくと思いませんか?

 

もし就職したら、自分は将来絶対安心!
もし就職しなかったら、自分の将来はめちゃくちゃ不安……。

これ、すっごく中途半端ですよね。

 

あえて厳しく、ちょっと嫌な言い方をするならば、それは「会社」というものに依存しているだけです。

「サラリーマンになれば絶対給料がもらえる!」というのは、「パチンコを打てば絶対勝ってお金がもらえる!」と言っている人と本質は正直変わらないと思います。

 

世の中に絶対なんてありえません。
あるのは危機回避の重要性と、「選択肢が多いことが自分を救う」という事実だけです。

 

ひとつの物事に依存しないためにも僕たちは、自分の「働き方」を自分で決めるべきなのです。

 

これは必ずしも「僕の言うことが正しい!」ということではないし、違う方向からみなさんの不安を煽りたいわけでもありません。

サラリーマンを選ぶことは悪いことではないです。サラリーマンにしかできないことはたくさんあるし、そんなサラリーマンを僕は心から尊敬しています!

ですが、改めて考えてみて欲しいんです。

みなさんが目指す「働き方」は、今のままがベストですか?

 

ここで言う「働き方」とはもちろん、やみくもに夢だけを追うことではありません。それでは売れない役者やバンドマンみたいになっちゃいます。

そして、売れない役者やバンドマンの方が最終的に、「生活が安定するからサラリーマン」という選択肢を選びがちです…。

 

自分なりの「働き方」、自分にしか出来ない「役に立つ方法」、なおかつ真の意味で「安定」を追求するのであれば、やはり僕たちが考える

「自分1人で出来るビジネスを持つ」

という選択肢をとるのが一番良いです。

 

インターンシップは無意味なことではないと思います。自分の意志で場所を選び、新たな世界に飛び込んでいくのですから、気づきも多いはずです。ただ、インターンに行った結果、「違うなぁ…」という判断をしたってもちろん何の問題もないはずです。

「手厚い指導」、それは裏を返すと、学生の「情」に訴えかけることで離職率を下げようとする企業の策略でもあるんじゃないかと私は思っています。

 

もちろん、インターンのおかげで無事就職までたどり着いた人にとっても、「自分だけのビジネスを持つ」という考え方は大切です。

希望の会社とソリが合ってそこに就職するのは素晴らしいことです。ただし、そこで人生のハッピーエンドが確定するわけではありません。

「自分1人で出来るビジネス」、それは厳密に言うと、サラリーマンとして働きながらでも出来る仕事でもあります。

副業という呼ばれ方をする時もありますが、初めは必ずしも「業」である必要はありません。何がキッカケでどういう動きになるかなんて、誰にもわからないのです。

 

可能な限り、今後仕事になりそうな種は蒔いておく。

日本で生きる限り、これからの日本のメインを担っていく限り、これは無視できない共通の課題なのかもしれません。

 

関連記事として、以下も合わせて一度読んでみてください。その記事においても、私達が主張する内容は同じです。



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