ドーナツ 離れが若者の間で進む! 対策を考えてみた
ドーナツ の将来が危うい! というニュースを見ました。
というものです。
確かに最近、コンビニのレジ横でドーナツを売られている場面を見なくなりました。24時間コンビニで、手軽にドーナツを買えるシステムが導入されたのは2015年。2015年の「日経トレンディ2月号」には、こんな風な特集がされています。
セブン-イレブン・ジャパンは、全国24カ所の同社専用のパン工場で作る、「セブンカフェドーナツ」の展開を始めた。同店のコーヒーマシンを手がけた富士電機による専用什器をレジ横に設置。工場で1日2回揚げ、3時間以内に店舗に届けるうえ、専用什器はドーナツの乾燥を防ぐために庫内温度が27℃以下、湿度は30~50%に保たれている。ドーナツは6種類程度で、販売エリアごとに限定品も出す。コンビニコーヒーとの相性が良く、同時購入が進みそうだ。(内容一部抜粋)
今読むと、かなり悲しい…。
「ドーナツ戦争」と呼ばれた戦いがあったのも今は昔。
大丈夫ですよ!3年後には戦争は終わりますよ!
って、当時に戻って教えてあげたくなります。
教えてあげるだけで、当時朝から「クリスピー・クリーム・ドーナツ」に長時間並び、そして結局買えなかった「ドーナツ難民」たちは、歓喜に震えることでしょう。
若者の○○離れ
という言葉は昔から多くあります。たとえばこのブログでは以前、「テレビ離れ」についても記事を書いています。
これらをふまえ今回は、昨今問題となっているに違いない
若者のドーナツ離れ
について、その概要と対策を考えていきたいと思います。
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なぜ若者は「 ドーナツ 」から離れたのか
3年前の2015年、平和ボケした僕たち日本人のもとにおいてドーナツといえば、間違いなく「ミスタードーナツ」のことでした。その豊富なバリエーション、定期的に100円セールが開かれるお得感。ほとばしる飲茶への憧れ……。
そんな時代が突如、群雄割拠を迎えることとなります。
原因は、コンビニエンスストアの台頭です。
少し前に起こった「100円コーヒー戦争」にてマクドナルドを圧倒的兵力の差で勝利した「SFM同盟」(=セブン・ファミマ・ローソン、コンビニチェーン同盟)が、戦禍の傷も癒えぬうちに再びドーナツにおいて戦争を仕掛けました。
コンビニ軍はその圧倒的物量数に加えてそれぞれの店舗のレジカウンター脇に什器を配備し、様々な種類のドーナツを販売する作戦を開始します。
コーヒーとの親和性もあり、当時はコンビニ優勢との声も上がっていました。
さらに、そんな混乱の最中に訪れたのが、米国よりの使者、「クリスピー・クリーム・ドーナツ」。
本拠地は「米の国」と書くにもかかわらず小麦粉製品を売るという摩訶不思議な戦法をひっさげ、話題という名の暴力により、戦況はますます把握不可能となっていきます。
ですが、結果はどうなったのでしょう?
全軍が大敗北です。
そこには、何も残りませんでした。
現在ではコンビニでドーナツを探してみても、彼らの勢いを象徴していた「ドーナツ入れ」はほとんど見当たりません。コーヒーメーカーだけがどんどんその数を増やしています。
たまに見かけても、そのドーナツは個包装されてしまっています。一世を風靡した物量作戦は、もはや見られないのです。パンコーナーのone of themに成り下がってしまったコンビニドーナツ。その背中には、もの悲しいものがあります。
鳴り物入りで日本に上陸した「クリスピークリームドーナツ」もまた、2016年を境に、ひとつまたひとつと撤退を繰り返し、ブームは一瞬にして過ぎ去ってしまいました。今では残存兵たちが、細々と活動を続けている程度です。
一方、苦戦しながらもコンビニ連邦軍を退けたミスタードーナツではあったものの、彼らもまたドーナツ戦争に勝利したとは言い難いです。最近では業績回復を果たしたものの、その内容としてはドーナツにPABLO(パブロ)のレアチーズホイップを乗せた「チーズタルド」や、軽食を提供する「ミスドゴハン」といった展開。もはや、あの頃のドーナツではありません。
健康志向の高まりや食文化の多様化が進み、ドーナツは今や、敬遠されるお菓子の代表になってしまったことは否めません。
試しに、好きなお菓子を思いつく限り順番に挙げてみてください。ドーナツはおそらく30番目くらいに出てくるのではないでしょうか?
30番目と言えば、wikipediaに掲載されている「世界の人口ランキング」でいうところの「タンザニア」です。
ドーナツは、タンザニアです。
だがこれは同時に、ドーナツはまだまだ発展途上であるということも意味します。なんせドーナツには、輝かしい名誉と歴史があるのですから。
マカロンなどといったぽっと出の小童とは、年季が違うのですから。
そこで僕は今回、このままドーナツが飽きられることなく再び息を吹き返せるように、「現代の若者に好かれるドーナツ」とはどのようなものにすればよいのかを考えました。
カロリーを抑えるべきなのか、原材料を変えるべきなのか、方法はいくらでもあります。
ドーナツだけに、再び「リング」に立つ時が来たのです。
「第二次ドーナツ戦争」の幕開けです。
「ドーナツが嫌いな理由」を根絶やしにせよ
今回の戦いの火ぶたを切って落とすにあたり、僕は、「ドーナツが嫌いな理由」というニュース記事の存在を確認した。
内容を見てみると、
1位:油っぽい 44.3%
2位:手がベタベタする 34.1%
3位:カロリーが高い・太りやすい 29.4%
4位:甘すぎる 26.9%
5位:ボロボロこぼれる 23.3%
6位:パサパサする・喉が渇く 21.3%
7位:胸焼け・胃もたれがする 12.3%
8位:値段が高い 9.5%
9位:日持ちしない 8.3%
10位:食べにくい 6.4%
なるほど、「油っぽい」というのが嫌われる理由第1位のようですね。
それにしても、ランキングの中には曖昧な要因が多すぎます。
「甘すぎる」とは砂糖含有率が何パーセントから「すぎる」
アンケートは主観まみれ
ドーナツは油まみれ
これが現状らしいです。
だが僕はここで降参するわけにはいきません。今や僕は、第2次ドーナツ戦争の先導者なのですから。圧倒的なカリスマ性を持って、かつ理路整然と、ドーナツの人気を取り戻さねばならない。
1位に限らず2・3・7位なども結局のところ油が原因なので、
ところが、戦略を練ろうと試みるやいなや、我が軍(構成員1名)の計画はすぐに暗礁へと乗り上げました。
定義によればドーナツは、
油で揚げた甘い菓子
であるとのこと。
油がなければドーナツではない。
ドーナツであるには、油がなくては成立しない。
辛いもの議論
に通ずる不毛さを感じます。
辛いものが好きという人と辛いものが嫌いという人は、
名称も内容も僕が勝手に作ったものなので、
やはり無理か…。若者は今後どんどんドーナツから離れ、ドーナツ業界は高齢化と後継者不足に悩まされることになるのか… 。
「焼きドーナツ」の存在です。
「焼き」とわざわざ言うってことは、このドーナツは揚げていないことを象徴しています。「人としては」とわざわざ言うってことは、異性としては全然好きではないことを象徴しているのと同じです。
なんだ、すでにドーナツ業界も先手を打っているじゃないか!
安堵を覚えつつも、一応詳細を確認する僕。
カルピスのHPに焼きドーナツのレシピが掲載されていました。ここにヒントがあると確信しながら、早速内容を確認してみると……。
材料
・ホットケーキミックス粉100g
・「カルピス」50cc
・卵1個
・無塩バター10g
!! 油がない!
バターこそ含まれているものの、あくまで嫌いな理由は「油っぽい」
無塩バターを「カルピスバター」に変更し、ほとぼりが冷めたころに「カルピス」そのものはしれっと除外すればよい。
勝った…!
顔がほころびそうになりながら、一応レシピに目をやってみます。
作り方4:
油(分量外)を塗ったドーナツ型に(3)を型の6割程度、絞り入れる。
油使ってますやん。
ここで油を使ってしまうと、「油っぽい」
なんせ相手は主観なのです。1ccでも油が含まれていれば、「
他の焼きドーナツのレシピを見ても、
畜生め! そんなだから若者はドーナツから離れていくのだ!
僕らの「第2次ドーナツ戦争」は、明らかに劣勢のようです。
先入観を、捨てる
こんなときこそ落ち着かなければならない。僕はドーナツを口にくわえ、大きく息を吸って、そして吐きました。口から煙こそ出ないものの、肺の奥底には小麦粉の芳醇な香りがたまり、全身をかけめぐっていくのがわかります。
若者に好かれる次世代のドーナツ、「ネオ・ドーナツ」誕生までの道のりは、まだ遠いみたいです。
と、ここで僕はあることに気づきました。
オススメのドーナツ店を紹介する際の、一般人のレビュー。
インスタ映え
フォトジェニック
の文字が躍っているではありませんか。
口にくわえたまま叫び、僕は危うくドーナツを床に落としそうになりました。
そうか! 「ネオ・ドーナツ」に必要なのは、ビジュアルか!
これなら、8位にランクインしていた「値段が高い」問題も解消されます。
「写真が撮れればそれでよい」系の女子が、
苦手を克服するより、得意を伸ばしていく時代です。イマドキの学校教育と同じです。僕もよく言われました。
「ドーナツの見栄えをよくする」
ここに全エネルギーを集中させるべきだったのです。
インスタ映えするにはどうすればいいでしょう?
色合い、あとは光です。なるべくカラフルに、そしてまばゆく輝いている必要があります。
今や様々な色の砂糖やシロップが出ているからそれを使えば……ダメだ、甘くなる。
人口着色料をふんだんに用いたら……昨今の健康志向に反する。これも得策ではない。
いっそツヤをだすために表面に油を塗れば……そうしたら本末転倒ではないか!
思考を始めた時は高かった陽も、すっかり落ちてしまっていました。ドーナツみたいな形をしていた白雲も、徐々に闇へと飲まれていきます。
「ネオ・ドーナツ」なんて無理じゃないか!
僕は焦っていました。
不思議なことが起こったのは、その時だったのです。
ドーナツって、食べられなきゃいけないの?
そんな声が聞こえた気がしました。
振り返っても、誰もいない。でも、たしかに僕はこの耳に聞こえました。
もしかしたらその声は、戦場で散っていった数多の「コンビニドーナツ」「クリスピークリームドーナツ」たちが送る、次世代への希望の音色だったのかもしれないです。
「食べられない」
これで、ドーナツに抱かれがちなほとんど全てのネガティブ要素が解消されるのです。
食べられさえしなければ、カロリーを気にする必要がない。
3位・4位・6位・7位・9位・10位の問題を一気に解消した!
そうか! こんなに簡単なことだったんだ!
完全に戦局が変わりました。
かじったドーナツの残りを見ると、僕に向かってニッコリ微笑みの口元を浮かべているような形でした。
そして、完成へー
迷いが晴れたら、あとは突き進むのみ。
ネオ・ドーナツは、食べられない。だがその分、フォトジェニックをとにかく意識する。
ドーナツとしての見た目を崩すとそれはドーナツではなくなってしまうので、
色とりどりなだけでなく、キャラクターなんかも表面に描かれていた方が良い。
そうなると、いっそデザインを「ネオ・ドーナツ」の表面にプリントしてしまった方がよいでしょう。
あとは光沢を持たせたい。
金属で作るか……。
僕がそうひらめくまで、さほど時間はかかりませんでした。
つまり理想のドーナツは、
・油を使わない
・食べられない
・円形金属の表面にデザインを印刷する
これで人気回復するはずだ!
ネオ・ドーナツが、今の若者の人気スイーツ業界に革命を起こすんだ!
どうせならと、さらに他の製品から人気要素もぶちこんでいきます。好評価の集合体を作り出す。そして、完膚なきまでにアンチドーナツ派を黙らせてやりましょう。
電子機器→薄型が好まれる
……なるほど、ドーナツも薄くするべきです。
ライフハック動画→商品の意外な使い方が人気
……「ネオ・ドーナツ」にも、他の用途を持たせればよいみたいです。
現代は、情報社会。だから、
パソコンで読み込める人気コンテンツ……
音楽! これだ!
つまり、次世代を担う「ネオ・ドーナツ」は
ネオ・ドーナツ
中央に穴が開いた薄型の金属円盤。
表面に印刷があり、パソコンに入れると音楽が再生できる。
CDですやん。
いや、違う。これはあくまで「ネオ・ドーナツ」です。ドーナツ界を立て直す、救世主となる存在です。
他とちょっとかぶっていたとしても、そこは気にする必要はないでしょうに。バレなきゃそのまま突き進めばいいし、バレたら「オマージュ」という万能ワードで逃げ切ればよいのです。
なんにせよ、これでドーナツは人気になります。何度か特許をめぐって訴訟は起こるだろうけど、
これら「ネオ・ドーナツ」の提案を書き終えた後、僕はふと、ひとつのニュースに目がいった。
「若者のCD離れ」
…お手上げだな、ミスド行ってこよ。
ゴールデンチョコレート、美味しいですよね。嫌いな理由ベスト10にほとんど当てはまってるんだけど。
そんな感じで、僕ら若者は今後も「今のままのドーナツ」を味わい、そして楽しんでいかねばならないと思います。
昔ながらの、そう「オールドファッション」の……。
さすがにもうクドいね。
ここまで言われたら、キミもドーナツ食べたくなりました?
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