通常国会 【2018】疑惑と法律まとめ

2018 年に開かれた 通常国会 での出来事をまとめました

通常国会 (2018年実施)を振り返りましょう!

通常国会 (2018年)が閉会しました。

「カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法」が、7月20日夜の参院本会議で自民、公明の与党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立しました。

これをもって事実上閉会したとも言えた2018年通常国会でしたが、正式に閉会を迎えたのは7月22日。
ここから延長されることはありません。

そこで今回は改めて、

1月22日に召集されてから7月22日に閉会を迎えるまで、
2018年の通常国会では何が決まって何が課題として残ったのか

について、「オウンドベース」なりに振り返ってみたいと思います。

 

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相次ぐ不祥事や疑惑。明確な説明は……?

1月から180日にわたり開かれてきた、今国会。
安倍総理ら政権与党は新年度予算案の成立を急ぐとともに、

時間外労働の上限規制などを盛り込んだ
「働き方改革」の関連法案

を今国会の主要な議題だと位置づけていました。

働き方改革関連法案については以前にまとめて記したことがあります。

 

対して野党は、2017年に引き続き森友・加計問題を追及。

2018年度予算案が衆院を通過した直後の3月上旬には総理夫人の昭恵氏も絡み、

森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん疑惑

が浮上しました。

同省も改ざんを認めるに至り、前代未聞の不祥事から佐川氏は国税庁長官を辞任。

前財務事務次官のセクハラ問題も発生するなど財務省の関係した問題が続出したことも話題を占めていました。

他にも、

○「存在しない」としていた自衛隊の日報が見つかる。
○ 首相秘書官が加計学園獣医学部新設を「首相案件」と述べたとする文書が明るみに出る。

これらが4月。

一連の問題では首相に対する周囲の「忖度」が疑われながらも、結果的に閉会まで、

森友・加計学園問題に関する世間に対する明確な説明はなかった

という批判の声も挙がっています。

 

会期末には

衆院議院運営委員長が、政治資金パーティー券の収入を過少申告していた疑惑

も浮上しており、委員長解任決議案こそ否決されたものの、様々な疑惑の解明は来年にも求められることになりそうです。

時事通信社調べの内閣支持率推移から見てもわかる通り、このままにしておいてはいけないというのが、世論です。

 

急ぎすぎ!? 成立した法案には課題も山積み!

一方で、成立した法案に目を向けましょう。

2020年に限って3つの祝日を東京五輪の前後に移す、「改正東京五輪・パラリンピック特別措置法」と、
米国を除く11カ国による「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)関連法」が6月に可決、成立。

7月には、相続規定を40年ぶりに見直す「改正民法」と受動喫煙への対策強化をした「改正健康増進法」がそれぞれ成立するなどもありました。

審議された改正法など議題については、議案の一覧から見ることが出来ます。

 

ですが中でも最も世間の関心を大きく占めたのは、

○働き方改革関連法
○改正公職選挙法
○カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法

だったことでしょう。

 

通常国会は150日ですが、今年は32日の延長がありました。

今国会のうちに、多くの法案を通過させておきたい

という与党の思惑がそれだけあったように思われます。

そして上記3つの法案はすべて国会延長期間中に成立したものであることから、

可決成立を優先させるあまり、課題対策説明を置き去りにしている

という見方も強まっています。

 

「強行採決」という表現が使われることも多いです。

 

個人的にも、

成立を急ぎ過ぎたのでは?

と感じていますが、具体的にどのような課題が残ったままになっているかを記します。

 

働き方改革関連法について疑問が残っていると言われているのが、やはり「高度プロフェッショナル制度」についてです。

時間ではなく成果で評価される働き方を望む労働者のニーズに応えるものだ

という発言がありましたが、そもそもとしての

『労働者のニーズ』自体が虚構なのではないか

という声も直後に噴出しました。

厚生労働省が高度専門職の人にヒアリングした、というデータではあるものの、実際に聞き取りを行なった人数は12人

サンプルとしては数が少なすぎるというものです。

 

野党の質問に正面から答えず追求をかわそうとする安倍総理や加藤勝信厚生労働相の姿勢を、法政大の教授が

ご飯論法

とツイッターに投稿したことも話題になりました。

 

自分
朝ごはんは食べた?
相手
食べてないよ!
(パンは食べたけど、「ご飯」は食べてないな)
自分
「そっか、食べてないのか
「朝ごはんそのもの」を食べてないんだな……)」

という風に、言葉尻をとって相手へのミスリードを促す

これを「ご飯論法」と呼ぶそうです。

 

「働き方改革関連法」に限らず、今回の国会答弁は全体的に、遠回りな言い回しをすることで論点をすりかえていく場面がメディアでも多く取り上げられていたように思います。

 

次に「強行採決」されたのが、参議院の議員定数を「6」増やす、改正公職選挙法。

いわゆる「参院6増案」です。

「1票あたりの格差」を無くすための措置で、特定枠を設けるなど具体的な取り決めもなされましたが、

「自民党の現職救済」という意図があまりに見えすぎている

という意見が多いです。

 

そもそも私が個人的にまずいと思っているのが、審議時間の短さです。

選挙制度は国民の代表を選ぶ根幹となるものであるにも関わらず、その審議期間は

参議院でおよそ6時間、衆議院に至っては3時間

だったとのこと。

 

法案をニュースで目にした人の中には、

あれ? こんな議題前からあったっけ?

と思われた方もいるのではないでしょうか。

 

特定の利益に基づかないものであるならば、なにより大勢の人に意義を説明してそのことを納得させなければならない

私はそう感じます。

 

このあと最後に挙げる「IR実施法」についてもそうですが、

西日本豪雨やその後の度重なる猛暑で、
多くの方々が自らの生活だけで手一杯になる状況下での強行採決。

そこまでして優先しなければならない理由が、きっと何かあったのでしょう。

 

少なくとも今後、成立を急いだ理由についての説明はあるべきで、仮に無いのならば、そのことで、与党の思惑に対して世論が(誤解だとしても)

自民党の党利党略だ!

と推測したとしても、それは致し方ないことだと思います。

 

そして最後は、そんな「カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法」

要するにこれは、

刑法が禁ずる賭博罪の適用対象からカジノを除外する

という法律です。

 

カジノが解禁されることで、さまざまな影響が懸念されています。ざっと考えてみても、

①:ギャンブル依存症の拡大懸念
②:入場客への金銭貸し付けをカジノ事業者に認める
③:犯罪資金の流入や暴力団介入の可能性
④:国会審議ではなく政令などで決める内容が非常に多い(331項目)

など課題は山積みです。

とりわけ①と②については深刻です。

現在の貸金業法は本人返済能力を考慮し、利用者の借入金額を年収の3分の1に制限しています。

ですが、カジノの貸し付けは規制の対象になりません。

カジノ事業者は「貸金業者」ではないからです。

 

手持ち以上の資金で賭博を可能とする仕組みは、ギャンブル依存症対策に逆行しています。

ただでさえ依存症を防ぐための策として考案された

・日本人客は週3回、月10回までに入場を制限
・1回6000円の入場料を徴収する
・家族の申告による利用制限

に実効性があるのか疑問視される中、現在の規模を超越する借金を助長しかねない今回の制度には、早急な対応案が求められます。

いっそ、

現金利用を一切禁止(カード類のみ)

くらいにしたほうがまだ良いのではないでしょうか?
お金の動きを明確にすることに意味があると思います。

 

通常国会 、その後にも気を配って!

与党が「数の力」で押し切ったという印象も強い今回の国会における法審議。

今後は9月の自民党総裁選に向けた動きや今秋の国会発議を目指していると思われる憲法改正について議論が具体化する見通しです。

これまで挙げた、成立が決まってしまった法に対して、

どのような折衷案や詳細を決めていくのか。

オウンドベースではそこにも注視しつつ、
今後の政治を考えていきたいと思います。



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