東大 (東京大学)の学生は、なぜ「 官僚 」になりたがる?

東大 生の中に 官僚 を目指す人が多い理由について説明します。

東大 = 官僚 ? こんな風潮はなぜ起こる?

前回の記事で、巷で騒がれている「2018年問題」から、同じ「大卒」という経歴であっても優劣が生じる
「学歴至上主義」の社会について。さらには、一部の 東大 生が持つ「 官僚 至上主義」の偏見についての記事を書きました。

まずは上記をお読みいただけましたら、今回のお話についてより楽しんでいただけると思います。

そして今回はそこから派生して、

そもそもなぜ東大生は官僚になるのか

についての持論を述べたいと思います。

 

 

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「官僚にならなきゃ!」という思い込む東大生

6月29日、幹部候補となる国家公務員総合職の2018年度採用試験の合格者が1797人だったと発表されました。

合格者数トップの大学は例年通り東京大学でしたが、17年度から43人減り329人と、2年連続で400人を下回ったそうです。

採用意欲が高まっている民間企業に学生が流れたことなどが影響した可能性がある

と人事院の担当者は話していたそうですが、これは個人的に良いことだと思っています。

なぜなら

・「東京大学」出身でなくとも官僚志望度の高い人が採用されている
・本来官僚を志望しないのに官僚になる、東京大学出身者が減っている

からです。

なぜ東大生は官僚になりたいのか?

これについて少なくとも一定数いると思われるのは、

東大生は官僚になるものだと思っているから

そういう人だと思います。

 

大学の専攻で将来の職業を決めろ

という選択を迫ることって、実はなかなか酷なことです。

感覚としては、

高校3年生のうちに将来の職業を決めろ

と言われているのに等しいのではないでしょうか。

将来が決まらないから、とりあえず今後の選択肢を広げるために進学しておく

大卒採用が主流の企業が非常に多い中、高校3年生の大半はそんな心境です。

実は私にも、弁護士になりたい!と思っていた時期がありました。法学部を選んだのは、そのためです。ですが法律を学ぶうちに、やりたいこととは違うなと思い、かと言って官僚になりたいとも思わず、結果的に就職を選んで、そして今に至ります。

たとえば、大学に通ったからこそ得られた知識をもとに、培った専門性を活かした働き方も出来ますが、それなら就職より起業した方が早いかもしれません。

 

日本の就職においては、専門性に縛られずに将来の進路を選択できる、というきわめて職業選択の自由度の高い優れた社会システムとなっています。

ただ……あまりにも選択肢が広すぎる。

 

「選択のパラドクス」という言葉がありまして、これは

人間は選択肢が多ければ多いほど、幸福度が下がる

というものです。多くを前にして悩むことで、機会損失が生じるとともに、幸福を期待する心情が高まるからです。

要するに、

考えすぎた結果、思考停止してしまっている

というわけです。

そこに加えて、東大生の多くが持つ

せっかくこれまで頑張って勉強したのだから、今後は良い生活が出来ないと人生割に合わない

という「報われたい欲求」

さらには、今でも頭の片隅をよぎる、

終身雇用によって、新卒時に決めた働き方が一生を決めてしまうのでは?

という誤解

挙句の果てには、

大手企業や官庁に入るには新卒ブランドや年齢制限が条件になるため、とりあえず若いうちは名のある職に就いておきなさい。ベンチャーへの転職や起業ならいつでも出来る。

という、なんら当を得ていないアドバイスがまかり通る始末です。

 

思い込みや人からの見当違いの助言を受けてでも、選択肢を狭めたほうが思考が楽になる。

東大生の場合は、それらの将来を方向づけるベクトルが官僚に向いていることが多い。

これが、東大生が官僚になりがちな理由です。

 

「官僚のお仕事」を意識した、東大の入試問題

次に挙げられるのは、

東大生は官僚に向いている

ということです。

それは、「東大生は頭が良いから」という普遍的な才能の有無の話ではありません。

「東大生は、官僚に求められる仕事が得意だから」という、得手不得手の感覚に近いと思っています。

私自身、

この大学、優秀な官僚候補が欲しいんだなぁ……

という意識は、入試の段階から肌で感じていました。

 

基本的に国公立大学の二次試験は、どの科目も論述が大半を占めます。

そんな国公立の中でも東京大学の(特に文系の)入試は、

○与えられた資料を読んで、的確に推測・要約する
○文章を論理的に組み立てる

上記2点が主に求められています。

そして、官僚の仕事にも、まさに同じスキルが求められます。

各所からあがってくるデータをもとに会議資料を作成したり、答弁の原稿を準備しなければいけません。

過不足無く、論点をずらすことなく、求められている答えを端的に述べる。国家規模でこれを行うのが、官僚です。

 

話を入試に戻しまして、科目別に具体的にお話しすると、

<英語>
・英語文章の要約
・前後の文脈から抜け落ちた英文を推測
・絵や表を見て、状況を英語で説明する

<数学>
・条件からアプローチを推測し、処理する
・解答にあたり、途中経過の論理的説明

<国語>
・およそすべての問題が60文字程度の記述
※字数制限があるわけではないのですが、
物理的にそれ以上の文字数を書ききれないようになっています。

<社会>
・歴史的資料を読んだ上でのまとめ(日本史)
・大筋の歴史的背景の論述(世界史)、
・統計グラフから考えられる実情の推論(地理)

受験にあたって私は、東京大学の過去問を20年分くらい解きましたが、毎年こんな感じの出題がされていました。

過去3年分の実際の入試問題を東京大学が公式に発表していますので、ぜひ一度ごらんください。

知識の有無はもとより、迅速な判断思考や、端的な結果報告を試されている。そんなイメージを抱きます。

 

余談ですが私の大学の友人で、日本史をまったく勉強せずに入試本番にのぞんだ女性がいましたが、60点満点で36点だったそうです。(だいたい合格者平均くらい)

逆に、どれだけ知識を持っていたとしても、要旨が的を得ていないなど書き方が悪ければ平気で0点にされてしまいます。

 

官僚適性を持った人が合格しやすいから

これが、官僚になる東大生が多い理由のひとつだと考えています。

 

結局、保守志向

最後に考えられることとしては、やはり「安定性」です。

官僚は一生安泰

というイメージは、良くも悪くもニュースを見ていると想起されてしまいます。

また、同じくあるのが「同調意識」。

周りがそうするから自分もそうしよう

という意識です。

人事院が発表している「国家公務員になった動機」東京大学が発表している「官僚を目指す動機」を見比べてみると、様々な差が見えて非常に面白いです。

人事院発表では、

仕事にやりがいがある/公共のために仕事ができる

が動機の1位・2位を占めていますが、東大の発表では、「日本のために働きたい」は、5位とかなり低いです。

むしろ、

職員との交流/身内や知り合いに官僚がいる

といった、

周りが官僚だから自分も官僚になりたい

という「同調意識」が動機のトップに君臨しています。

 

「なりたい動機」と「なった動機」は別物であり、(志望した人がすべて採用されるとは限らないため)
また人事院発表の方には東大卒以外の方も多く含まれているため、等しく扱うことは出来ないかもしれませんが、

あぁ、これが「ホンネ」「タテマエ」というやつか……

こう思えてしまうのは、私だけでしょうか?

 

また、どちらの発表においても

安定しているから

という動機は一定数存在しています。

周りと同じでありたいし、安定した生活がしたい。まさに、保守的な思考が東大生を官僚へと後押ししているのです。

 

まとめると……

これらから総合的に判断すると

周りが官僚だから自分も官僚になろっと。
試験の感じを見たら自分にもできそうだしね。
安定した生活を送れるなら割にも合ってるよな。

という思考が推定できます。

そしてその思い込みがやがて凝り固まり、

周りが官僚だから官僚に「ならないことはあり得ない」!
試験の感じを見たら自分に「しか出来ない」
安定した生活を送れ「ないなら割に合わない」

と思考をすり替えてしまった方が、

残念な偏見を持つ東大生と化してしまう

のだと思います。

 

官僚のみなさんは本当に優秀な方が揃っており、職場環境としてもやりがいや実力が遺憾なく発揮できる場だと思います。

これから官僚を目指す方や、現在官僚になったばかりの方もぜひ、

周りが素晴らしいから、自分も人に誇れる官僚になろう!

という「同調意識」を持った働き方をしていただきたいと思います。



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